ヤングマスター 師弟出馬
 10年7月7日鑑賞。
 
 実はかなり久しぶりにみたのだけど、
別な作品と記憶がごっちゃになっていて、
改めて見直したら意外とシンプルで
でも面白い作品だということが分かった。
たまには見返してみないと記憶力という
モノはあてにならないなあと。

 この作品が作られる前、当時、折り
合いが悪かったロー・ウェイのプロ
ダクションからゴールデン・ハーベスト
社に強行移籍したジャッキー・チェンが、
同社で監督・主演した第1回作品。香港
クンフー映画の定番「仇討ち」物語では
ないオリジナルの物語に、素手の対決は
もとより扇子やスカート、ロープなど
さまざまなアイテムを効果的に使った、
趣向を凝らしたアクションを取り入れた
明るいイメージの作品になっている。

 捨て子だったタイガー(ウェイ・ペイ)
とチェン(ジャッキー・チェン)は、正風
道場のカン先生(ティエン・ファン)の元で、
カンフーを学びながら立派な若者に成長
していた。二人は、和威道場との獅子舞い
の合戦のための準備を行なっていた。

 それは二人一組で獅子舞いを踊りながら
相手を倒すというものだった。ところが
タイガーが足を痛め出場できなくなり、
別の弟子とコンビを組むことになる。

 当日、即席コンビは敵に負けるが、何と
敵の黒獅子を演じたのはタイガーであった。
彼は、カン先生の厳しさを嫌い、和威道場
に金で寝返っていたのだ。激しい怒りを
おぼえたカン先生はタイガーを追い出した。

 しかし、そのタイガーも和威道場の
ひどい仕打ちにあい、約束していた師範代
にという話はなくなり、替りに用心棒に
なってしまう。早速、護送中の大悪党キム
(ウォン・イン・シック)を奪取するという
仕事をいいつけられるタイガー。一方、
獅子舞い合戦に負けたチェンは、責任を
とって道場を去ると先生に告げるが、
先生はチェンに免許皆伝の大扇子を渡し
タイガーをつれ戻すようにと言うのだった。

 その頃、タイガーはキム一味と行動を
共にしており、白い扇子を離したことが
ないことから“白扇子"と呼ばれていた。

 そして、町の銀行を襲った際、仲間の
裏切りにあっているところを、扮装して
やってきたチェンに救われる。チェン
は逆にタイガーの汚名をはらし、その
替りにキムの居所を聞いた。風吹き
すさぶある日、チェンは、遂にキムとの
決戦に挑む。決戦は開始され、お互いに
力の限りを尽す。決着がつかないまま
延々と闘いが続くが....

 この仇役キムには70年代に香港クンフー
映画でも活躍したハプキドー(韓国合気道)
の達人ウォン・インシクを迎え、クライ
マックス、20分近いジャッキーとウォンの
対決はジャッキー作品のクンフー対決でも
屈指の内容になっているのだが、確かに
この人凄いのよ。バランス感覚もピカイチ
だし。片足で立っていて全くぶれないから
途中で寝返った敵に「片足を攻めろ」と
いわれてもその片足すら攻め切れていない。

 全盛期のジャッキーをしてやっと倒せたと
いう感じがもろに出ていて、おそらく
ジャッキー映画史上最強の敵役かもしれない。

 競演にも当時若手売り出し中だった
ウェイ・ペイ、ユン・ピョウを迎え、
さらにはティエン・フンやシー・キェン
などの香港映画界の重鎮を添えるなど
競演陣も華やか。また、国際公開
バージョンには、歌手ジャッキー・チェン
のデビュー曲「さすらいのカンフー」が
テーマソングとして編入され、東南アジア
圏を中心に各国でヒットとなった。

 ジャッキーは作品完成度に非常に
こだわり、撮影に費やしたフィルムは
かなりのもので、初期完成版もジャッキー
自身が編集の監督を行ったが、それは3時間
に迫ろうという長尺であり、配給会社の指示
で最終的に1時間40分に短縮されている。本作
の編集違いは無数に存在するが、主に地元
「香港・台湾公開版」と「国際公開版」の
2種類に分かれており、日本の劇場で公開
されたものは国際版である。国際版は
香港版よりもフッテージ が若干多く、
またジャッキー・チェンが録音した
デビュー曲「さすらいのカンフー」が
エンディングとして使用されている。

 なお現在日本で発売されているソフトは
すべて香港公開版で、タイトルシーンや
音楽が日本公開時のものとは大きく異なる。
投げた扇を再び受け取るシーンには
120テイク以上を費やして撮影された。

 しかし、国際版からはカットされている。

で、今回みたのはどうも香港版みたいで、
さすらいのカンフーがはいってない。
で、エンディングというか戦闘シーンで
かかっているホルストの木星がまた
クラシックとカンフーという意外な組み
合わせでみていて飽きない。この辺の
選曲のこだわりもなかなか。 

 でもいつか綺麗な画面でちゃんとした
形でみてみたいという願いは今回やっと
叶ったんで、それはうれしかった。
ストーリー的にはすこし...というか
だいぶん無理はあるが、本物のカンフー
の魅力がたっぷり詰まっているので
全く問題ない。